お隣の天使様2巻ネタバレ感想|真昼が天使様を演じ続けた理由を考察

『お隣の天使様』2巻の紹介画像。桜が咲く窓辺の明るいリビングに、こたつと二つのマグカップ、小さなアクセサリーケースが置かれ、完璧な笑顔の裏に隠された孤独と涙、隣人から大切な味方へ変わる関係を表現している。 お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件
笑顔の裏にある寂しさに、気づいてくれる人がいる。

この記事は、お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件の2巻を読んだ感想と考察だ。ネタバレを含む。先に答えを言う。2巻は、真昼の家のわけが見えてくる巻だ。周は「ただの隣人」から「いちばん近い味方」に変わる。

書いているのは札幌に住む櫻田泰憲。1巻を読んだ人が、2巻を手にとる前に知りたいことを、先に並べておく。

まず、買うか迷っている人は、ここから本を見られる。お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2(GA文庫)

お隣の天使様2巻の基本情報と、読む前の3つの目安

作品名お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2
著者佐伯さん
イラストはねこと(2巻から担当)
レーベル・発行GA文庫(SBクリエイティブ)/2020年4月30日 初版第一刷
構成第1話〜第10話+番外編「一人なんかじゃない」
  • 年末から春休みまでの、およそ四か月の話だ
  • 前半はお正月・バレンタイン・ホワイトデーの甘い日常、後半は真昼の家庭の事情が中心だ
  • 1巻を読んでいなくても追えるが、傘を貸した雨の日の話を知っていると、後半が深く刺さる
  • 泣けるシーンは第9話に集まっている。電車の中で読むなら、ハンカチを持っておくといい

お隣の天使様2巻のあらすじ(ネタバレあり)

桜が見える春のリビングに、おせち料理、二つのマグカップ、チョコレート、アクセサリーケース、スマートフォンが並ぶ。「ただの隣人がいちばん近い味方になる」「甘い日常の先で真昼の孤独がほどける」と書かれた『お隣の天使様』2巻のイメージ画像。
隣にいてくれる。それだけで救われる夜もある。

年の瀬、周は真昼と二人で大みそかを過ごす。おせちを朝から作った真昼は、年が明けた直後に疲れて眠ってしまう。周は自分のベッドに寝かせ、ソファで夜を明かす。この無防備さが、元日の朝の気まずい空気を生む。

三が日が過ぎると、周の両親がたずねてくる。母の志保子は着物を持参し、真昼を連れて初詣に行くと決めている。周も身なりをととのえられ、二人は並んでけいだいを歩き、手を繋いだ姿をクラスメイトに見られてしまう。新学期、真昼に「よその学校の彼氏」がいるといううわさがひろがる。

そのあと、真昼が熱を出す。周は自分の部屋で休ませ、つきそう。真昼は、人にかんびょうされるのが初めてだと打ち明ける。バレンタインには真昼が手作りのチョコを用意し、周はホワイトデーにブレスレットを返す。着けてほしいと頼まれた周は、真昼の笑顔に目を奪われる。

春休み、樹が泊まりに来て、千歳も加わる。にぎやかな数日のあと、真昼のスマホに届いた通知を見て、真昼の表情が曇る。周は親からの連絡だと察する。翌日、部屋の前に母の小夜が現れ、冷たいことばを残して去る。周は真昼を自宅へ招く。

真昼は、自分が望まれて生まれたわけではないこと、親にお金だけ渡されて育ったことを語る。周は、泣いていいと真昼を抱き締め、一人じゃないと伝える。

翌日から二人の距離は少し縮まる。番外編では、桜の河川敷で、真昼が春を好きになれなかったわけを話す。周が手を握り、真昼は少しだけ桜が好きになったと笑う。

真昼が「天使様」を演じ続けたわけを考察する(ネタバレあり)

桜が咲く窓辺の勉強机に、数学・英語・国語・理科の教科書、ノート、トロフィー、ティアラ、ブレスレットが並ぶ画像。「完璧な天使様は、愛されるための演技だった」という言葉で、椎名真昼の孤独と本当の居場所への願いを表現している。
完璧でいなければ愛されない。そう思うのは、つらいよな。

いい子でいれば見てもらえる、という賭け

2巻の核心はひとつに絞れる。真昼の完ぺきさは、生まれつきの才能ではなく、親に振り向いてもらうための賭けだった。勉強も運動も家事もこなす姿は、本人が選んだ演技だ。だから周に弱みを見せたとき、本人も崩れた。

ここで効くのが、周の態度だ。周はわけを問いたださない。「見ていない」と言って、泣ける場所だけをよういしする。雪の日に帰った人へ、まず出すのはお説教ではなく、こたつだ。冷えた手には、熱いことばより温かい場所が先に要る。台所の湯気のように、そばにあるだけで安心するものだ。この距離感が、周を頼れる人に変えた。

シーン周の動き真昼の変化
熱を出した夜むりにでも休ませ、手を握って寝かせる人にかんびょうされる経験が初めてだと明かす
ホワイトデー似合う色を選び、手首に着けてあげる休日に大切に着けると言い、素直に笑う
母との再会後見ないふりをして、泣ける場所を作る「全身で捕まえておいてください」と、初めて願いを口にする

2巻の読みどころ|追加で語っておきたい、作り手の話

2巻から、イラストは和武さんからはねことさんに代わった。あとがきで著者の佐伯さんは、体格差、手の大きさの違い、お姫様だっこ、シャツの絵が好きだと書いている。熱を出した真昼を周が抱き上げるシーンは、文だけでなく絵でも心に残る。

著者紹介には「両片思いが主食」とある。この巻のじれじれは、ねらって作った味だと分かる。はねことさんは北海道在住で、キャンプと温泉が好きだそうだ。同じ北海道の俺には、親しみがわく。

お隣の天使様2巻を読んだ感想|周の不器用さが胸に残る

読みおえてはじめに残ったのは、周の不器用さだ。きもちをことばにできないぶん、動きで返す。熱を出した真昼に氷枕を用意し、手を握り、翌朝は食べやすいものを買いに走る。ことばより先にからだが動く人は、見ていて信用できる。

  • 周は「恋愛」と言い切る手前で踏みとどまる。その慎重さが、真昼を守っている
  • 真昼の弱さは、周の前でだけ出る。そこが読者へのご褒美だ
  • 千歳と樹は、二人を茶化しつつ、いちばん近くで見守る役だ

俺が刺さったのは、番外編の桜のシーンだ。隣にいる、と周が告げるひとことで、真昼の孤独に答えが出る。派手な告白より、こういうみじかいひとことのほうが長く残る。

巻末のあとがきと、心に残る挿絵のこと

あとがきでは、2巻の中心は、周に心を許していく真昼の事情ときもちの変化だと語られる。次の巻あたりで、真昼が「大天使」から「小悪魔」へ変わるのでは、と著者は冗談めかして予告している。モノクロの挿絵は10枚ほどある。とくに印象深いのは次の3枚だ。

  • 熱を出した真昼を周が抱き上げる、お姫様だっこの絵
  • 桜の下に立つ、真昼の横顔
  • ブランケットをかぶって泣く真昼を、周が抱き締める絵

読みおえて、もう一度確かめたくなった人は、こちらから。2巻の商品ページ(Amazon)

この記事の作り方と、読んでくれたあなたへ

この記事は、櫻田泰憲が2巻を読んで書き留めた感想と考えをもとに、AIアシスタントの支援で文章にまとめ、本人が確認して公開している。書誌の情報は、本の奥付とあとがきで裏づけた。

最後に、2巻を読みおえたあなたへ。つらい思いをしている人がそばにいたら、答えを探すより、まず隣にすわってあげてほしい。周がしたのは、それだけだった。

気に入った人のために、もう一度こちらを置いておく。お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2(Amazon)

【ネタバレ】お隣の天使様1巻 感想・考察|真昼が心を開いた理由
『お隣の天使様』原作小説1巻をネタバレありでレビュー。全14話のあらすじ、椎名真昼が藤宮周に心を開いた理由、「天使様」の仮面と駄目人間の意味を考察。アニメとの違いや挿絵情報、62歳の読後感も紹介します。
お隣の天使様3巻ネタバレ感想・あらすじ考察|全13話と教室の公言
お隣の天使様3巻のネタバレあらすじと感想。膝枕で始まる新学期から、教室で真昼が公言するまでの全13話を整理した。お世話が貸し借りに変わった瞬間を第11話の抱擁から考察し、あとがきと4巻の予想も添える。

コメント

タイトルとURLをコピーしました